《RHIZOME-地下茎と水》展 

 2002.9.25〜10.9
 

《RHIZOME-地下茎と水》  その昔、広漠とした世界にさらされていたわれわれの祖先は、湧き水のある洞窟を 捜し、隠れ住んでいた。洞窟のような場所が、潜在意識を深く包みこむのは、胎内で 生育された体験とともに積層された先史の記憶に触れるからだろう・・・。  坂口寛敏は、循環する水やエネルギーの経路としての線と世界の可塑型としての器 をモティーフに、流動する外界と人間を連繋させようと試みてきた。ギャラリーや地 下の庭の内外にわたって、器や描線によるモデルが場の気脈をさぐるように置かれ、 水の経路が巡らされる。  富田俊明は、自分が生まれ育った土地の地下水による地勢と土地をめぐる伝承との あいだに、人間の記憶という水のありかと流れをたどった横浜トリエンナーレ2001 での『泉の話』を経て、アメリカ、デンマーク、オーストラリアを移動する1年をす ごした。旅をしながら、〈泉〉の淵へと往還する過程から、何かを伝え、またそれに 触れる誰かと呼び交わす契機が生じていく。  世界の内と外を循環する水と人と人を結ぶ記憶の源泉の水・・・。水と養分をもと めて延び広がるリゾーム(地下茎)のように、洞窟を憶わせるこの地下スペースに世 界をつなぎ開いていく場と時間が生みだされていく。 鷹見明彦(美術評論家)


坂口寛敏
『暖かいイメージのためのドローイング装置』2001 
 


冨田俊明
『泉の話』横浜トリエンナーレ2001  
撮影:多田あさみ