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2007年は、スウェーデンが生んだ植物学者カール・フォン・リンネの生誕300年にあたって、母国や日本など世界各地でその偉大な功績を記念する展覧会や
催しが行われました。リンネは、あらゆる自然物を種によって体系化し、二名法という種名の表記法によって、世界の植物の学名による体系を作り出しました。 その功績
によって、「分類学の父」ともよばれるリンネの研究は、文献だけでなく世界に分布
する実際の植物の観察や標本に基づいて推し進められたものです。それは、大航海時代にあったヨーロッパの世界進出とともにリンネの体系の使徒たろうとする弟子たちによって、遠方の異国へも広がり伝えられました。江戸時代に日本に滞在し『日本植物誌』を著したツューンベリーや、シーボルトがもたらした『日本植物誌』によってその体系を翻訳し、日本人による国土の植物体系を著した本草学者たちも、その光を受けた者たちでした。 本展は、ホログラフィー、絵画、フォトグラムといった各自の技法
によって、花や植物など地上の生命種のもっとも美しい存在とフォルムによせて、それぞれの博物誌を描こうとしている3人の作家たちの作品を紹介するものです。多くの種がかつてない速さで滅んでいる時代にも、アートが人間のこころの開花でありつづけるなら、それはリンネの使徒たちにも似て、先覚の冒険者の光に照されながら、発見と命名、体系化のはじまりの時代にあった、世界を眼差し記述する歓びとかがやきに、しずかに深くつながっているはずです。
(αMプロジェクト2007キュレーター 鷹見明彦)
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