東京写真月間2010 画廊企画展

 
佐原宏臣 写真展

 
「何らかの煙の影響」     




会期=2010年5月31日[日]−6月12日[土]
会場=表参道画廊
企画=倉石信乃(写真評論家・明治大学准教授)



トーク・イベント=6月12日(土)16:00〜17:00
         「今日の写真2010@佐原宏臣写真展」
          佐原宏臣×ホンマタカシ×倉石信乃
          司会タカザワケンジ
          
          場所 表参道画廊
             〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-17-3
                    アーク・アトリウム B-02
          tel:03-5775-2469

※入場無料
※トーク終了後、展覧会は終了となります。








 佐原宏臣の連作「何らかの煙の影響」は、2003年から7年間に
亡くなった7人の親族の葬儀とその周辺をていねいに記録したも
のである。一応の完成に7年を費やしたこの作品はまず、日本人
の典型的な慣習の今日的なあり方を生々しい事実として捉えている。
ここでは写真家は、自身も葬儀のメンバーでありながら、儀式の
余白に立って出来事を観察する。とても両義的な「位置」に立って
いるといえる。別の角度からいえば、こういうことだ。写真家は、
親族とは顔見知りであり故人に対する悲しみの感情を共有しながら
も、通常は視覚化できないものを直截に暴露する、冷静なカメラの
眼の要請にも従う。佐原の写真は、必ずしも悲しみの劇としての
顕著な叙述性・演出性を訴求するわけではない。それは、日常と
連続する空間の先に待ち構えているわだかまりや翳りのような、
ある緩やかだが避けられない「移りゆき」の質を風景や人びとの
身振りのなかに見極めようとする写真だ。悲しみの色とかたちは
決して一様ではない。出来事が与える影響のインパクトが、とても
多層的な様態をしており、それに触れるわれわれの感情の襞のか
たちも色々であることを、この時間をかけた連作は繊細に、かつ
確信を持って伝えている。   


                (倉石信乃・明治大学准教授)










佐原宏臣(さはら ひろおみ)略歴

1973年 静岡県湖西市生まれ。

1995年 東京造形大学造形学部デザイン学科・写真専攻在学中、写真同人誌『回転』を同級生の森本美絵と刊行(翌96年に4号で休刊)。

1997年 大学を卒業。初めての個展「悲しみの風景 variations on the misery」(卒業制作展・東京造形大学)開催。毎日新聞社出版局クロニクル編集部でアシスタントとなり、『20世紀年表』などの書籍編集に携わる(翌98年まで)。

1998年 アルバム制作会社に営業カメラマンとして就職、主に学校行事を撮影する(2007年まで)。

2000年 個展「何らかの煙の影響」開催(東京・ガレリアQ)

2007年 アルバム制作会社を退職。以後も写真・映像制作を続ける傍ら、写真集の企画・編集や、写真展および映画に関わる広報印刷物のデザイン制作を手がける。

2010年 グループ展「この壁を飾るのは誰、この台上を埋めるのは君」(ビジュアルアーツギャラリー・東京)に参加。個展「何らかの煙の影響」開催(東京・サードディストリクトギャラリー)。現在、東京在住。

 







 
 

 




 













 


トーク・イベント風景