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今塞がれているこの穴は、かつて何処まで繋がっていたのか。
痕跡を辿り、歩き始める。 ファインダーから覗いた世界には、
美しいものの中にある毒や、グロテスクなものの中に突き刺さ
るような色気が浮かび上がる。 虫の目になり、壁の目になり、
枯れ葉の目になり、水の目になり…私は前進する。少し視点を
変える事で露になるその“もの”自身が持つ記憶と圧倒的な
存在感、その中にいつの間にか吸い込まれていくようだ。
しかし、 その目に映る光景は実に現実味を帯びているのに、
時間を切り取った瞬間に掌の隙間からこぼれ落ちていく砂のよ
うに無くなってしまう。 当たり前に時間は戻らない。 カメラ
を持ってどこまでも深い穴に落ちたら…… カメラは想像力の
鍵のようなもの。
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