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自分の言葉ではなく、他人の言葉を使って作品をつくりたいと考えていたとき、
ふと、友人からのメモの文字をなぞって書き写してみた。
「じゃあね。ばいばい。」という言葉だったと思う。
書き写してできた文字には、今書いたという感触が確かにあって、
でも、私の文字だとは言えない。
かといって彼女の文字だとも言えない。
アンビヴァレントな生々しさが残っている。
その文字を見つめていると
「ここには何か、メディアの大切なものがある」と感じて、
しばらく目を離すことができなかった。
他人の筆跡を書き写し、並べていくことを通して、
起源をもたない遺跡のような光景を思い浮かべている。
そこに見えるものは、ただそこにあるだけで、のこらないのである。
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