東京写真月間2011
 
 
山本 真人
  
「The messy room」




会期=2011年5月23日[月]−6月4日[土]
会場=表参道画廊
企画=増田玲(東京国立近代美術館主任研究員)+表参道画廊

作家HP=http://www.sosoup.jp















「The messy room (散らかった部屋) 」は、写真家山本真人が“自宅でできること”という枠組みで制作している5つの作品からなる連作です。今回の展覧会は、そのうちThe last whisper と Euclid's talk in sleep の2つの作品によって構成されます。

 陽の目をみることなくしまわれていた大量のネガを素材に始められたThe last whisper。撮影、現像、プリントといった、光と闇とを交互に通過する写真のプロセスの中で、けっきょく埋もれていったそれらのネガに、写真家が、新たな、そして少し過剰な光との出会いを用意することで生れたイメージたちは、深い闇のなかから何かをささやきかけます。

  一方のEuclid’s talk in sleep (ユークリッドの寝言) は、写真家と、光学機器であるカメラによる二次元イメージとしての写真との、次元をめぐる軽やかな対話が生み出すイメージ群です。

  ところで、写真とは時間と空間のある一点において結ばれたイメージということができます。つまり写真とは、時間に関わるメディアであり、空間に関わるメディアでもある。そのように考えれば、埋もれていた古いネガを素材にしたThe last whisperは、写真というメディアの、時間に関わる側面についての作品であり、三次元の世界を二次元にとじこめたときに現われるトリッキーなイメージ群であるEuclid’s talk in sleepは、空間に関わる側面についての作品だともいえるでしょう。

  無関係にもみえる2つの作品が並存する“散らかった部屋”。その部屋にかすかに響く通奏低音が、写真を撮り、あるいは観るという行為についての思考を誘発することを期待しています。




           増田 玲(東京国立近代美術館主任研究員)                            

 
















「The Last Whisper」2010年




「The Last Whisper」2010年








「Euclid's Talk In Sleep」2010年




「Euclid's Talk In Sleep」2010年










□山本真人  やまもと まさひと

1967年高知県生まれ、東京在住 
写真というメディアを軸に幅の広い表現を目指し活動中


■主な個展およびグループ展
「足摺岬」コニカプラザ(東京) / Let's find(Antwerp)
               / Nivelles city hall(Nivelles),  1998  
「Fill in the blanks」ライトワークス(横浜), 2004  
「an exceptional state」(秋山ブクとの2人展)FARM (東京)2009 
「空間×散らかった部屋/Raum×The messy room」(橋本次郎との2人展) 
          神戸ファッション美術館 4Fギャラリー(神戸), 2010

■出版

[一般書籍]
『殺人現場を歩く』 (共著者:蜂巣敦)ミリオン出版,2003 / ちくま文庫版, 2008
『殺人現場を歩く2』同上, 2006

[アーティストブック]
『an exceptional state』(アーティスト秋山ブクの個展記録写真集)
                         Edition Nord, 2008
『We'll wait for you until you come』
『Euclid's talk in sleep』
『洪水|Flood』 いずれもedition sosoup, 2010