竹下 都(インディペンデント・キューレター)企画展      

  
芦田みゆき展 
  『南南東』



    

会期:2016年8月29日(月)− 9月10日(土)日曜休廊 
会場:表参道画廊 
         東京都渋谷区神宮前4-17-3 アーク・アトリウムB-02
        tel : 03-5775-2469 
    info@omotesando-garo.com 
    www.omotesando-garo.com
時間:12:00〜19:00(最終日は17:00まで)
協力:小宮山裕(デザイナー)川口晴美(詩人)
企画:竹下都+表参道画廊
オープニング=8月29日(月)レセプション18:00〜/トーク19:00−     
演奏×映像×トーク=9月9日(金)19:15~
(関連イベントの詳細は下記に記載してあります。)












アーティスト・ステートメント

写真を撮ることを始めて8年になる。  
それ以前は20年以上にわたって詩を書いていた。ようやく写真のなかで自分が自由になったと感じら れるようになった今、2つの表現手段の本質的な違いは何だろうと考える。  
おそらく、それは〈速度〉だ。  
写真は速い。私自身が気づくより速く、神経の伝達のような速度で反応している。あとになって自分が 撮った写真と向き合うとき、やっと私は「私」と向き合い、見て、知ることが可能になるのだ。  
ある日、私は遠いところで〈赤〉が走るのを感じた。とても強く。なのに目でとらえようとすれば風の ように、幻のように、逃げていく。それが何なのか、追っていきたいと私は切望した。  
写真展『南南東』は〈赤〉に近づくための試みである。  
撮影を通して追いかけた〈赤〉は、現実の何かではなく出来事そのものの感触があった。もしかしたら それは忘れられた私の〈詩の言葉〉の再来だったのかもしれない。詩は、いつも遅れてやってくるの だ。だから2つの速度を、写真と詩を、この空間で出合わせて展示したいと考えた。2つの速度がぶつ かって渦巻くなかに、私がとらえたものは現れる。  
協力してくれたデザイナーの小宮山裕さん、詩人の川口晴美さん、ありがとうございました。

                                 芦田みゆき






20年以上前、詩人と美術家のコラボレーション展を企画した芦田みゆき。自身も小学生の時から詩を 書き、大学では油彩を学んだ。いつも芸術環境の中で育ったと聞く。では芸術とはなにか? 文学・音楽・美術・演劇の表現活動を総称し、それらを包括した概念であり、美の創作表現と考える。近年では 個々の表現にジャンル分けされている事が多いが、本来は深く結びつき、相互の芸術性を高めるものと 思 う。

芦田が写真を本格的に始めたのはいつだろう? 私が知る限り初めての作品は沢山のオレンジを撮った5、6 年前のものだった。それは、それは瑞々しい作品群でオレンジはとてもエロティックだった。そして作品は何かことばを発し、息を弾ませて輝いていた。

その後精力的に発表した作品群には、詩人・川口晴美とのコラボレーション『双花町についてあなたが 知り得るいくつかのことがら』(2014-15年) がある。また昨年『桃を買いに行く』(2015年)は、MOSCOW INTERNATIONAL PHOTO AWARDS (MIFA) 2015で佳作を受賞した。それらは、全て何か生にまつわる言葉を発しているように思えた。

今回のタイトル『南南東』は、自身が1990年に出版した詩集『楔状の記号』の一編から選ばれた。 その詩のかけらが写真作品の中でも取り組まれている。常に詩人であり写真家、写真家であり詩人、芦 田みゆきにはどちらも重要な表現活動で、自身の経験の断片とどこかリンクしていると考えられる。

全て本年制作された新作で構成される本展の作品群に、鑑る者はどれだけのことばを作品から読み込ん でゆけるだろうか。

                             本展企画者 竹下都   







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芦田みゆき(あしだ・みゆき)略歴 
 
東京に生まれる
日本大学芸術学部油絵科卒業

[受賞]
2010リコーアワード2010(フォトグラファーズサミット7)@D秀賞
2011リコー三愛ビルRING CUBE両袖看板コンペ″ナ優秀賞(2011-2012展示)
2014ALTERNATIVE!展<激rュー賞
2015MOSCOW INTERNATIONAL FOTO AWARDS(MIFA)2015♂タ作
2016PX3 Photography Competition 2016(Paris)ヌード部門でシルバーと佳作を受賞


[個展・グループ展]
199300-Collaboration 詩と美術展=i佐賀町エキジビット・スペース/門前仲町)(企画/展示)
1994Art Today 1994=i財団法人セゾン現代美術館/軽井沢)
2011PHOTOGRAPHERS SUMMIT=iCP+ リコーブーススクリーン)
2011PHOTOGRAPHERS SUMMIT(西武渋谷店)
2011RICOH AWARD 2010=iRING CUBE/銀座)
2012光で描く=iThe Gallery/八丁堀)
2014,2015ALTERNATIVE!(Gallery Conceal/渋谷) 
2014G Book Show(One Eyed Jacks gallery/Brighton /England)
2015Border(ギャラリーカメリア/銀座)
2015,2016SATURDAY NIGHT NUDE=i72Gallery/京橋)
2015R&V 2015 Life=iアツコバルー/渋谷)etc…

[Kindle写真集]
『TAKE FIVE』vol.1 -Night of Tokyo-  
『TAKE FIVE』vol.2 -Shinjuku-
『双花町についてあなたが知り得るいくつかのことがら』vol.1-6(詩・川口晴美/デザイン・ 小宮山裕)
『Shut Your Eyes』TOKYO JAPAN 2014-2015(CRP)

[詩集]
『蝶とぴすとる』(昭森社)『オレンジはおいしいかい』(昭森社)『記憶の夏』(昭森社)『J- WAVE Collection空想紀行』(講談社)『楔状の記号』(思潮社)『草の円柱』(思潮社)『ミドリとハエの憂鬱(メランコリア)』(七月堂)

[共著]
『複数の署名 00-Collaoration 詩と美術』(編・著)(カタログコンクール優秀賞受賞)
『養老天命反転地 荒川修作+マドリン・ギンズ:建築的実験』(毎日新聞社)
『現代思想』増刊号・荒川修作 他













『Border』2015, 841×1189, Archival Pigment Print


 




『桃を買いに行く』2015, 841×1189, Archival Pigment Print







『Take Five』2011, RICOH RING CUBE 両袖看板


           





関連イヴェント

◉オープニング・トーク

  稲垣諭(科学哲学者)×芦田みゆき

内容:芦田みゆき作品の中で、作家と稲垣諭(科学哲学者)によるトーク。
日時:2016年8月29日(月)19:00〜19:45 オープンイグ・トーク
会場:表参道画廊
定員:15席の椅子のご用意はありますがそれ以外は立席となります。
   (事前申し込みは不要です)
料金:無料

プロフィール:

稲垣諭(いながき_ さとし)哲学者
1974年、北海道生まれ。青山学院大学法学部卒業。東洋大学大学院文学研究科哲学専攻博士後期課程修了。 文学博士。専門は現象学・環境哲学・リハビリテーションの科学哲学。東洋大学文学部助教、自治医科大学教授 を経て、現在、東洋大学文学部哲学科准教授。
著書に『大丈夫、死ぬには及ばない──今、大学生に何が起きているのか』(学芸みらい社)、『衝動の現象学 ──フッサール現象学における衝動および感情の位置づけ』(知泉書館)、『リハビリテーションの哲学あるい は哲学のリハビリテーション』(春風社)、共編著に『エコロジーをデザインする──エコ・フィロソフィの挑 戦』(春秋社)、『エコ・フィロソフィ入門──サステイナブルな知と行為の創出』(ノンブル社)、共訳書に E.フッサール『間主観性の現象学──その方法』(ちくま学芸文庫)、荒川修作+マドリン・ギンズ『死ぬの は法律違反です──死に抗する建築 21世紀への源流』(春秋社)などがある。


芦田みゆき(あしだ みゆき)アーティスト/詩人
日本大学芸術学部油絵科卒業。 2011リコー三愛ビルRING CUBE両袖看板コンペ″ナ優秀賞、2015MOSCOW INTERNATIONAL FOTO AWARDS(MIFA)2015♂タ作、2016PARIS PX3 PHOTOGRAPHY COMPETITION 2016ヾilver & 佳作(南南東展示作品)
199300-Collaboration 詩と美術展=i佐賀町エキジビット・スペース/門前仲町)(企画/展示)、1994Art Today 1994=i財団法人セゾン現代美術館/軽井沢)、2015Border(ギャラリーカメリア/銀 座)。『TAKE FIVE』vol.1-2、『双花町についてあなたが知り得るいくつかのことがら』vol.1-6、『Shut Your Eyes』TOKYO JAPAN 2014-2015(CRP)/Kindle。『楔状の記号』(思潮社)『草の円柱』(思潮社)『ミドリとハエの憂鬱』(七月堂)『複数の署名 00-Collaoration 詩と美術』(編・著)(思潮社)他。


◉演奏+映像+トーク 
 藤枝守(作曲)×砂原悟(クラヴィコード演奏)×芦田みゆき

内容:芦田みゆきの特別スライドショーの中で、藤枝守の作品を砂原悟がクラヴィコードで演奏。後半に三者に よるトークがあります。
        
日時:2016年9月9日(金)19:15〜20:30 演奏+映像+トーク
会場:表参道画廊
定員:30名(メールで予約が必要です)
料金:2,000円

申込方法:
画廊 (info@omotesando-garo.com) にメールでお申し込みください。
表題は「演奏+映像+トーク」として、
氏名、人数、返信用メールアドレスをご明記してください。
いただいた個人情報は、本イベントのご案内のために使用し
それ以外での使用や、第三者に開示することはありません。


プロフィール:

藤枝守(ふじえだ・まもる)作曲家
カリフォルニア大学サンディエゴ校音楽学部博士課程修了。博士号(Ph.D. in Music) を取得。九州大学大学院芸術工学研究院教授。
作曲を湯浅譲二やモートン・フェルドマンらに師事。《オーケストラの修辞学》で第5回入野賞。第7回日本現 代藝術奨励賞。国立劇場や東京混声合唱団、神奈川芸術文化財団、ジャパン・ソサエティ、アイルランド・アー トカウンシルなどから委嘱を受ける。純正調などによるあらたな音律の方向を模索し、植物の電位変化データに 基づく『植物文様』を展開。また、金沢21世紀美術館や京都芸術センターなどでサウンド・インスタレーショ ンも手がける。著書に『響きの考古学』(平凡社ライブラリー)など。砂原悟による《クラヴィコードの植物文 様》や西山まりえによる《ゴシック・ハープの植物文様》、サラ・ケイヒルのピアノによる《Patterns of Plants》などの多数のCDがリリース。現在、九州の焼酎蔵元の協力のもとに「醗酵音響アートプロジェクト」に展開し、その音響に基づく現代神楽《甕 の音なひ》を発表。また、来年2月に「茶の植物文様」を発表予定。


砂原悟(すなはら・さとる)演奏家
東京藝術大学付属高校を経て、1983年同大学卒業。同大学院在学中の1985年ドイツ学術交流会 (DAAD)の奨学金を得て渡独。1987年ミュンヘン音楽大学マイスタークラッセを修了して帰国。 1988年東京芸術大学大学院修了。1993年まで同大学院博士後期課程に在籍した。宮島敏、中山靖子、ク ラウス・シルデ、小林仁の各氏に師事。
京都市立芸術大学教授。東京芸術大学非常勤講師。
1984年日本音楽コンクール入選。1987年ポルト市国際ピアノコンクール入賞。1988年クロイツァー 賞受賞。1987年ミュンヘンより帰国後リサイタルや室内楽、歌曲伴奏など本格的に演奏活動を開始、 NHK‐FM「FMリサイタル」や「ベストオブクラシック」などに出演。1998年文化庁の派遣により、ク ラリネットの村井祐児氏とトルコ大使公邸やイスラエル・テルアビブ美術館において室内楽演奏。2005年か らクラヴィコードでの演奏も開始、この頃より藤枝守の作品発表に関わり、各地で演奏。2008年マイルス トーン・レーベルより発表された「クラヴィコードの植物文様」(藤枝守作曲)はレコード芸術誌で「準特選」 を受けた。