竹 下 都 企画展
   
 松本 春崇

   「stoppage − 点的パーテーション」


 




会期=2017年8月28日[月] - 9月9日[土]
会場=表参道画廊
時間=12:00-19:00(最終日17:00まで)
企画=竹下 都(インディペンデントキュレーター)
協力=角田良江(コラボレーター)  

レセプション=8/28 18:00- 19:30
画廊縛りの日時=2017年9月2日(土)13:30〜 集合写真撮影予定 15:30
 

  


    







松本春崇のインスタレーションは、束縛と解放、原始 と文明、個人と社会など、対義語となる言葉の意味を、縛ると云うシンプルな手法で我々に投げかけてく る。「家縛りプロジェクト」は、松本の長い作家活動の多岐に渡る作品群の中、一つの重要なライフワーク とも云えるシリーズ作品となっている。既に40軒近く、国内のみではなくアメリカ、そしてこの6月には フランスでも行われた。関わったそれぞれの人が、それぞれの想いを持ち、家にまつわる物語を綴り考察し てきた。

「四つ」と云うのも松本の重要なモチーフで、家を十文字に縛り4分割にし、最後には蝶結びをして完成と なる。この十文字結びは我々が日常繰り返し行っているシンプルで馴染みの深い縛りである。松本は四分割 を早い時期から作品のコンセプトに据え、次の様なステートメントを記している。

  四分割する:私は四つのものは、かつて四つのものを見て目眩がしたことから,
    四つのものは悟性の結合を解体、統覚不可能にし、統一する能力を無力化すると考えている。

今回発表される作品「stoppage ― 点的パーテーション」は、本年フランスでのプロジェクトで新展開を見せた新作である。展示される作品 [stoppage(ストッパージュ)]は、こちらとあちらとの結界のように置かれるのだろうか?結ば れた十文字の中心は何を語っているのだろうか?容易に答えは出ないようだ。それとも用意された答えなど ないのだろうか。ここでも観る者に「留まる、進む」とは何か、「縛る=束縛する、解く=解放する」とは 何かと、我々に無限の問いかけをしてくるだろう。松本のシンプルな手法からは、多くの示唆を受けること ができると思っている。

何はともあれ、まずは家縛りに参入するのが楽しい。一緒に手を体を動かして汗を流す。見知らぬ人との連 帯感が生まれる。終了後には縄は解き放たれ、行為の痕跡や記憶が鑑賞者の心に可視化されてくる。

本展覧会では、表参道画廊主宰の里井さんご一家のご協力により、9 月2日(土)13:30から画廊の建物を縛る「画廊縛りプロジェクト」を実施します。多くの方にご参加頂けますと幸甚です。
                                     
                                                                                                                                           竹下都(本展覧会企画)











          



「縄文ホワイト方丈記」2016年






家縛りプロジェクト036[桂北小学校] 2017年






家縛りプロジェクト037[メゾンドプ] 2017年






アーティスト・ステートメント

stoppage ― 点的パーテーション

 ストッパージュとは停止、反対語は進行ということであると本に書いてあった。

 お茶を嗜む人には常識だろうが、日本庭園などに置かれている黒い縄を十字に結んである小石=止め 石に は進行を妨げる意味がある。

 試しにどこか、どこでも人のいるところに止め石を置いてみると、気づいた人はそれを気に留める。
 以前四つの石を十字に縛って作った止め石を置いた場所では、人種を問わず人も、猫も、アリでさえ も慎重に興味を持ってそれが何かを知的に、動物的に確認しようとしていた。
 このときこの人(多くの生き物)の心のなかには意識の自由な進行を止める点的障害=点的パーテー ショ ンが生まれる。

 この点的パーテーションの向こうには何があるのか?この点的パーテーションの向こう側との新しい 意識 的つながりを作り、それを探るために、私は四つのものを十字に縛りこの点的パーテーションを作品として作ろうと思う。
 縛るときには四つのものが崩れないように中心らしきものを心で感じながら私は作ろうと思う。かっ こ良くいえば、中心は読んで字のごとく?いや逆か?心の中にあるからである。

 家縛り*では、その縄の形を家庭の美学というものを使って、形づくる方法で制作をおこなってい る。こ れは家庭の美学彫刻といって良いものだと思うが、作品 [stoppage(ストッパージュ)] は画廊空 間であれ、美術、芸術とは無縁のところであれ、動物的意識レベルで成立可能な芸術ではないかと想 像、想定してい る、故にどこに作っても、たとえ人でない生き物ののために作っても点的パーテーションとなるならばまあいい だろうと考え
ている。それゆえ画廊空間に置いたとしても、アフリカの草原に置いたとしても、月の上に置いた としても誰かが、何かがそれを見ることができるものであるなら、私はかまわない。


* 家縛り
家縛りは、その家の家族がそれぞれの好みや価値観によって家を縛る縄の形状を決める=つまり、家庭の美学(家族の美学)がその縄(紐)の形状に形 を与え、そこに参加する人々の心や記憶、記録写真などにそこで形作られた縄(紐)の痕跡を残す新し い縄文芸 術だと私は考えている。仮に家を縛るのが家族でなく、仮の集団や会社であったとしても、人が集まりたいと思 うときには、その集団の存在を可能にする家族的感性が立ち上がり、その集団の美学によって建物を縛 る形が決 定させると私は考えている。






□松本春崇|MATSUMOTO Harutaka

美術家。
多摩美術大学大学院修了後、フランス政府給費を受け1987-89年パリのエコールデボザール留 学。
2003-04年文化庁芸術家在外研修員によりニューヨーク滞在。
1986年より「四つ」をモチーフに した絵画や彫刻、写真などの4ism作品を発表。
平行して2010年から縄の記憶や痕跡を残す新しい縄 文芸術を制作する「家縛りプロジェクト」をスタート。
「4軒まとめて家縛りin稲村ガ崎」(鎌倉)、 NADiff(東京)、ステファンのボートハウス(カリフォルニア、USA)、メゾンドプ(ボルドー、 フランス)など37軒を行う。
国内外での個展、グループ展多数。



近年の個展
2015   縄文ダブルバインド ステファンの家:カリフォルニア、USA
2016   縄文ホワイト方丈記:相模湖交流センターアートギャラリー、神奈川
2017   アッサンブラージュ縄文:メゾンドプ、ボルドー・オードンジュ、フランス

近年のグループ展
2014      春のおくりもの:なびす画廊、東京
     『After Story』出版記念展:NADiff A/P/A/R/T、東京
2015      House Beats - 撹拌する家:explosion tokyo viewing room、東京
     小坪・路地展:南町テラス、神奈川
2016      おっとぼけ万博:おっとぼけ美術館、長野

近年の家縛りプロジェクト
2014      [<4軒まとめて家縛りin稲村ヶ崎> 阿部邸、吉川邸、墨屋邸、南部邸]:
      鎌倉、神奈川
             [NADiff]:恵比寿、東京
2015      [ステファンのボートハウス]:カリフォルニア、USA
             [横浜美術大学]:横浜、神奈川
             [explosion tokyo]:西麻布、東京
             [あづま邸]:恵比寿、東京
             [<家縛りプロジェクトin小坪路地展> 天照大神社、南町テラス、鮎丸漁師小屋、
      鮎丸]:逗子、神奈川
2016      [相模湖交流センター]:相模原、神奈川
2017      [相模原市立桂北小学校]:相模原、神奈川
             [メゾンドプ]:ボルドー・オードンジュ、フランス
             [表参道画廊]:青山、東京
             [山田邸]:横浜、神奈川














 


縄文式ダブルバインドキャサリンの部屋  2011 AISHO MIURA ARTS

 


縄文式ダブルバインドキャサリンの部屋  2011 AISHO MIURA ART




 



縄文式家族的類似絵画[カリエラ家の肖像1]
四色のアクリル絵の具、メディウム、縄
117x117cm 2013
併設展示 アンディ・ウォーホール Marilyn Monroel  I Love Your Kiss







模型縛り  2015






新聞縛り No.1-4          2015