jan+feb 2010
 
パリのクリスマス
 

Noel de Paris







 
























 すでに夕暮れ時をすぎ、暗闇の中をRER線のリュクサンブール駅まで迎えに行くと、昨日からの雪がまだ残っていた。ぎこちない足取りでゆっくりと歩きながらトランクを押す。ユトリロの雪のパリ風景さながらの、というよりまさにそのままの光景である。パリという街の変わらないたたずまいを実感しながらその重さを心地よく思う。

リュクサンブール公園の延々と続く鉄柵の脇に近くの大学生らしき女の子が雪だるまを作っていた。道行く人を迎えてくれるような雪だるまは日本のそれとは何かが違う・・なんとなく愛嬌がある。

 クリスマスの街並みはすこぶる静かで、何も特別普段と変わらないけれど灯りのついた窓辺にクリスマスツリーの豆電球が点滅しているのが見える。
人々の生活も「マッチ売りの少女」時代からそう変化はないのだろうか・・・。一方、この日までのデパートはすごい人出で酔いそうになる。二大デパートのギャラリーラファエットとプランタンのショーウインドは今年のロシア年を意識した飾り付けだったり、かき入れ時の豪華絢爛なクリスマスシーンを押しつけがましく飾り立てている。クリスマス当日はそんなショーウインドウを観光客と行き場のない子供達が楽しんでいた・・・。

 サンジェルマンデプレやサンシュルピス教会の前庭には仮設の小屋が建ち並び、見るからに地方出身者の店番が豪快な笑いでクリスマスを盛り上げていた。クリスマスのシンボルの一つにクレッシュと呼ばれる人形の飾りがある。キリスト生誕の場面を再現したもので、カソリック教会特有のものだそうだ。ここで興味深いのは、ごく当然のことだが、12月24日までは、マリア様が見守るのは空の藁のベッドで、25日に突如赤子のキリストが出現する。一体、誰が、どんな様子で、何時赤子のキリストを置いていくのだろうか・・。信者でない身の不届きな空想を愉しむ。

 24日のお昼にノートルダム寺院に行ってみると、ミサの聖歌隊の練習をしていた。年齢に幅のある隊員はきっと尖鋭隊なのであろう、指揮者は自由の民をまとめるのは大変そうに見受けたが、ほんわかしたムードであった。

 家庭での過ごし方は、多くは、実家や田舎に帰り大人数でのクリスマスを過ごす。家族で24日にミサに行き、帰宅後のご馳走は、牡蠣、フォアグラ、ローストチキンにシャンパン、ワインとデザートにブッシュ・ド・ノエルが定番と、シンプルである。

 シャンゼリゼには、よりオシャレな出店小屋が延々と続いている。日本の神社の参道に並ぶお祭り屋台とは比べものにならないくらい、その内容はかなり種種雑多ではあるがセンスに富んで商品も充実している。世界中から押しかけた観光客が路からあふれ、ホットコーヒーならぬホットワインなどで身体を温めている。大きなお鍋からジャガイモのグラタンとトマトソースのペンネを買い込んでぷらぷらとエッフエル塔の位置を確かめながら、自宅にもどることにする・・・・。

 



 


 

●linlin


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