nov. 2009
 
パレ・ド・トーキョー
 

PALAIS DE TOKYO




13, avenue du President Wilson
F- 75016 Paris
www.palaisdetokyo.com


 



Roman Signer






Ceal Floyer







Micol Assael
[CHIZHEVSKY LESSONS]








Laurent Grasso [HAARP]


 パレ・ド・トーキョーは、1937年のパリ万博の開催に合わせて「近代美術宮殿」として開設された。
セーヌ川に向かい、噴水を囲って東翼と西翼から構成されている。現代美術の展覧会を企画するパレ・ド・トーキョー/現代創造サイト(Palais de Tokyo/
Site de creation contemporaine) は2002年1月に西翼に開設された。因みに東翼は1961年にパリ市立近代美術館として開館したが、現在は変則的な企画美術展の会場として使われている。

 建物内部は外観とは違い、さすがに年代を感じさせる雰囲気を醸し出している。倉庫的な印象は、現代美術的なのかもしれないが、高級住宅地にありながらややもするとうらぶれた「トウキョウ」のイメージでもある。

 エントランスには小さなショップがあり、覗いてみると比較的お手軽な価格で現代美術作家の小品などが販売されていた。奈良美智、村上隆、杉本博司などはすっかり定番になっているようだった・・。


 この時の展覧会は、アラスカにある小さな村「GAKONA」を拠点として、神秘的科学的な研究をする4人の作家、Micol Assael, Ceal Floyer, Laurent Grasso, Roman Signerの4つの個展形式の展示であり、「現実と幻想、科学と想像力の交差点」と位置づけられている。

 初めの展示室に入るとごく普通の白木のテーブルが目に入る。良く見ると宙に浮いている。コンクリート製の床面は直径15センチほどの円形に刳り抜かれ地下からの送り出される風力で押し上げられている。何気ない展示に費やす労力とその労力無しには作品が成立しないという原則を感じずにはいられない・・。奥には「推論と演習の確立を試みた作品」として二股に分かれた巨大コイルのような立体の上方に2つの傘が向かい合い吊されている。ある時先端から煙りが立ち上り引き付けられる。しばらく待つものの解説通りにはいかない・・。

 エレクトロニックプロジェクトを展開しているMicol Asselの最初の作品は12才のときのポータブルラジオで、15才にして自動車のイグニッションコイルでスパークリングを始めたという。ここでは、日常生活での空気のイオン化の影響を研究しているロシアの科学者に捧げるインスタレーションとなっている。Moscow Power Instituteのエンジニアの協力のもと5年越しに実現した作品は、20枚の銅製パネルで会場の空気を変圧させ荘厳な雰囲気を作り上げている。恐る恐る中央に進むと、かすかな静電気のようなものを感じ、鳥肌が立つようにぞくっとした状態になる。

 Laurent Grassoは、奇抜な方法で主題を探求する作家だが、タイトルのHAARPは、「高周波活性オーロラ調査プログラム」であり、その実体は軍事的資金調達目的との噂もあり、気候破壊による人間行動への影響が、このアンテナの森の科学的な虚構の価値を信用あるものとしている、という。

 この手の展示には必ず事前承諾書にサインを求められるが、いざとなるとやはりやや不安になったりするものである・・・。

 


 


 

●linlin


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