avr,2002
 







パリ国立美術大学/ボザール
 














4月といえば日本は新学期。ここフランスでは9月だが、パリ国立美術大学=ボザールでは進級試験(ビラン)が終わったところだ。
セーヌ左岸の街自体が芸術的ともいえる界隈に、風格のある建築物。以前はかのセザールも教鞭をとっていたというが、数年前よりマルチメディアの学科が新設され人気のクラスとなっている。年々移民や留学生が増えコスモポリタンなお国柄だが、校内も様々なアイデンティティを持つ学生達であふれている。週に1〜2回ほど講義があるくらいで、学ぶというよりもかなり自主的な制作活動をしているようだ。日本との違いは、アトリエに行っても「計画があるか」をまず問われ、何もなければ出直しということになる。

和田牧子さんは、日本の大学で経済学部を卒業してから1年間、パリで語学学校と私立の美術学校に通い受験準備をして昨年ボザールの2年生に編入。マルチメディア学科の難関を突破したひとりだ。学校ではマルチメディアに限らず好きなアトリエを選び制作することが出来る。ビランでは、きのこの彫刻のインスタレーションを発表。面接官はクリスチャン・ボルタンスキー教授というから、そのスケールもかなり世界的だ。面接する4人の教授のうち3人以上が興味を持たなければ即落第。ボルタンスキー氏から直接アドヴァイスを受けることができた和田さん。今後の活躍が楽しみである。

全く違った分野にいたとしても、何時からでもアーティストになり得る。アートでも会話でも初めにコンセプトありきのフランスだから、それが人間の必要条件みたいにも思える。まず自分を明確に表現すること。そして、自分と異なることに対してそれを認め、理解し、楽しもうとする。誰も彼も同じになってしまうより、バラエティだから新しい発見もあるわけだ。ここでは、様々な経歴を持つ人々が、それぞれ、私達の未来のイメージ、共存のイメージを模索しながら形作ろうとしているようだ。

 

●amiart


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