dec,2002
 







マチスとピカソ
 


春夏にロンドン、テートモダンで、秋冬にパリ、グランパレで開催されたビッグイベント「マチスとピカソ展」。一体何万人の人々が鑑賞したのだろう。

20世紀の偉大なるこの二人の画家を知らない者はいないが、その天才達の人間的な、いわゆるお互いが影響を与え合うという関係を発見するのは結構おもしろかった。それぞれの作品はパズルのように交互に展示され、マチス美術館、ピカソ美術館、そしてポンピドゥーセンターで既に見覚えのある名作ばかりだが、このように並べられると、二人の巨匠にもなんだか親近感が沸いてくる。

色彩の画家マチス、フォームのピカソと表現方法は違い、区別されてはいるが、この二人の共通点はやはり巨匠ということ。言葉を変えれば、到達した人間。何が到達かといえば、自分の欲求に率直に自然に生きる、素直に自分自身を見つめることを貫くということだろう。だから、影響を受けたといってもそれは結局パロディでしかないわけだ。時に自分と違うものを消化して新たなものを生み出す。生み出すのは結局彼ら自身。

マチスとピカソの架空コラボレーション。この展覧会で一番印象的だったのは、二人共が長いその人生の中で、いかに見事に自分を創造して来たかという事実だった。

日本での展覧会もきっと行われると思うが、「マチスとピカソ」という本が日本経済新聞社から出版されているので参考になるかと思う。イヴ・アラン・ボア著(ハーバード大学教授・近代美術史、宮下規久朗監訳)
もちろん、この冬来仏予定の方には必見の展覧会だ。


MATISSE PICASSO
2003年1月6日迄
Galeries nationales du Grand Palais

 

●amiart


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