fev,2003
 







アン・マリー、
フランス流アーティストの生活


 



     



     
  



フランス人の生活を楽しむ才能は見事だ。それぞれの生活がまずあって、仕事があるというコンセプトはとても明確。南仏やフランスの郊外に住むアーティスト達は、自然を描き、自然と人とのかかわりを描き、ささやかな私達の営みを描く。

アン・マリー・ドゥ・ラ・カフィニエールさんも日々の暮らしを大切に、年を重ねているアーティストのひとりだ。家族がいて、親類がいて、娘の結婚式には、手作りのドレスを作り、小さな姪達のドレスはお揃いのリボンでコーディネイト、暖かな披露宴をオーガナイズする。愛する人々、毎日の食事、太陽、花、普通に生活していても、絵を描く動機は私達の周りあちこちにあるものなのだ。

パリ郊外のフォンテーヌブローに住み、そんな風に生活の一部として自然に絵を描きながら、1980年代以降、パリはもちろんフランス中の地方で展覧会を開いている。また、1990年から1994年の間には、彼女の絵が日本中27地方を駆け巡っていたという。日本に紹介されたフランスのエスプリは、きっとその暮らし方そのものを物語っていたことだろう。本当に大切なものは何?

フランス人はよく、夏のヴァカンスに出かけた先で、ふと見つけたお気に入りの絵を買って持ち帰る。そしてサロンに飾って眺め楽しんでいる。コピーでなく、ポスターでもない、自分の目で選んだお気に入りの一品だ。そんなひとつひとつの選択が彼らの自由であり、アーティストも流行に左右されずそれぞれの表現でいつまでも描く事を楽しんでいく。

フランス流アーティストの生活は一筋縄ではいかないが、大切に大切にこの国の人が築いてきた生活文化となっている。アーティスト自身にもそれ以外の人にも、とっても思いやりのあるゆったりとした時の経過を、アン・マリーの絵はそっと耳元で話しかけてくれる。

 

●amiart


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