jan,2004
 






aux origines de l'abstraction
オルセー美術館「抽象の起源」展

 


19世紀の光と陰。ターナー、モネの具象作品から、カンディンスキーらの20世紀初頭に至る、特にヨーロッパでの抽象画の展開を試みた展覧会。ゲーテの「色彩論」や、フランスの科学者シュヴルールの説いた「色のコントラスト理論」は、近代絵画に大きく影響を与えたが、画家の著書も多く、この時代の抽象に対する情熱が伺える。

ゴッホは色彩につての考えを妹ウィレミーンへの手紙の中で、
「君は理解してくれるだろうか。音楽で慰めの言葉を語ることができるように、同じように、ただ色彩を配置するだけで詩を語ることが出来るということを」といい、カンディンスキーは著書の「芸術における精神的なものについて」の中で、
「今日、絵の中のひとつの点がときに人間の顔以上のことを語ることがある。水平線に結びつく垂直線は、ほとんどドラマ的といってもよいような響きを生み出す。三角形の鋭角と円との接触は、実際にはミケランジェロの描いた神の指とアダムの指との接触に劣らない効果を持っている」と抽象的な形態と色彩の価値ある相互作用についてを述べている。
ロシアのマレービッチにおいては「芸術に関するエッセイ」の中で、
「すべての芸術を通念的な画題から解放させ、見ることの意識を、物象を形として見るのではなく、それらが出来あがったはずの物質の質量の方からアプローチして見る、とこのように再教育すべきである」と書いている。

チェコ生れのクプカの作品からは、その色彩と形状によってその時代のダイナミックなリズムが伝わってくるようだった。今回、展示数が一番多かった。
そして、20世紀中頃になれば、舞台はヨーロッパからアメリカへ移り、ポロックやデ・クーニングの活躍する抽象表現主義の時代となるわけだが、オルセー美術館では、ここまででした。

aux origines de l'abstraction /「抽象の起源」展
オルセー美術館 2月22日迄

 

●amiart


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