mai,2004
 





Jean-bernard Chardel
ジョン・ベルナール シャーデル
 











パリの書店は趣がある。しばしば、展覧会や作家を招いての講演会等があり、本の販売だけでなく交流の場になっているのだ。左岸は5区、”リブラリーレザリゼ”で開催中の”ジョン・ベルナール シャーデル展”を覗いてみた。昔のままの地下室が展覧会場になっていて実にオシャレ。

シャーデル氏は、 90年代にアジアやアフリカを渡り歩き、中国のミアオ族の子供達、カンボジアの踊り子、北アフリカのベルベル族などのポートレイトを描き、画家としてスタートした。20年来、日本の文化や文学に興味を持っていたものの、この後の来日が、彼にとっての大転換となり、宗教的インスピレーションが、以来、彼に毎朝座禅を組ませ、絵には象徴的なものが現われ始め、それが抽象的なものへと変化していった。

扉や壁を思わせるような絵、また、よく現われる幾何学模様は、禅の精神(わび、さび)に対する想いと、タントラやスフィー教に代表される円(宇宙)、三角(エネルギー)、四角(不変)等、シンボルに対する興味からきているという。そして、それらの象徴をアフリカや東洋の色使いによって表現している。

日本人の友達も多く、畳敷き和風アパルトマンに住んでいるというシャーデル氏。もしかしたら、日本人よりも日本人らしい人?果たしてこれから、また、どんな風に変化していくのだろうか。
以下は、画家のメッセージ。


全ては繋がっており、その存在一つで独立して存在している物は何もなく、全ては総合依存のなか存在している、と昔から説いているのは、アメリカインディアンや仏教徒、そして万物に霊魂があると信ずる物活信仰者である。

彼等の思想から考えれば、人が変われば人を取り巻くもの全てが変わる、という事も自ずと納得でき、作家 ミラン・クンデラが、「もし、人がもっと自然に生きる事が出来る為に、自分に世界を変える事が出来なければ、まず自分自身の生活を変えよう。」(著書: “生は彼方に” より)と言った意味も理解できる。
また、フランスの著名な詩人、アーチャー・ランボーが、「我々は、常に新しくなければいけない。」と説いた文章の意味が、偏見や宗教、排他的な価値観や適合性だけを意識した基準など、個人が真の自分自身と調和して生きる事を妨げるもの全ての古い観念を取り除く事である、というメッセージであると言う事が理解できる。

アーティストとは、夢を語り、人々にそれぞれの希望や夢、そして我々が心の底から望んでいるものと一体となることに挑む事、そして個人の才能の芽を育て、成長する為に挑む事を語るものである。

もちろん、そうする事はたやすい事ではないが、自分だけではなく他人をも理解し、調和を見出し、自己の内でモラルを確立し、自分自身でいながら周りと一体化し、宇宙の意識とでも呼ぼうものと繋がることになる一つの確実な方法ではないだろうか。

             
             ジョン・ベルナール シャーデル



*長野県「軽井沢プラザホテル」に作品常設展示。
*山口れい著「パリちょっと裏道を歩く」に、シャーデル氏が掲載されています。


ジョン・ベルナール シャーデル展 5月22日迄
Librairie les Alizes/リブラリーレザリゼ
74 rue du Cardinal Lemoine,75005 Paris 

 

●amiart


過去の"Paris News"は こちらからどうぞ